
目標はだれのもの?
あなたがいま達成しようとしている仕事の目標は、誰のための目標でしょうか。会社のための目標?組織のため?それとも自分のため?上司のため?もしかして顧客のため?
ちょっと考えてみてください。
どれが正解ってわけではないです。でも、少なくとも自分のための目標であってほしいなあと思います。自分とつながっている目標。気持ちがのっている熱のこもった目標です。
要は、自分にとって大切な目標になっているか、ということです。
メンバーにとって大切な目標になっているか、ということです。
目標と「自分(メンバー)の極めて個人的な興味・関心」がつながっていることが大事なんです。
ここからは、ぼくのチームで実践している魅力的な目標設定のやり方について共有していきたいと思います。
自分(メンバー)にとって魅力的な目標をつくろう
自分やメンバーが目標に気持ちがのるためには、目標を達成していく道筋のなかに、自分の得意や興味・関心ごと、大切にしていることがあったほうがよいです。
ここが一番お伝えしたいところです。
目標そのものが自分が興味があって大切にしていることなら、それだけで目標達成に向けて継続して熱心に取り組めます。
オリンピック選手にとって金メダルをとるという目標は、最も大切なことであり、継続的に熱心に取り組める目標になるかもしれません。
また、映画監督になるという夢を実現するために美術系の大学へ進学するという目標も、興味・関心をもって継続的にモチベーション高く取り組めるかもしれません。
もし、目標そのものに興味がなくても、目標達成をしていく道筋の中に興味や関心、好きなこと、大切にしていることがあれば、これも目標達成に向けて継続的に熱心に取り組む動機になります。
例えば、あるメーカーの営業担当がいます。A企業との取引で今期1億円の売上目標を与えられました。1億円の売上目標は会社にとっては必要な目標かもしれませんが、営業担当個人にとってはこの目標自体に興味関心が湧きません。
しかし、1億円の売上を積み上げるために、営業担当は関心をもっていた「環境負荷低減」というテーマで仕事をつくることができます。目標達成の道筋の中に興味関心がもてるような仕事を作ってしまうんです。このブログでは「魅力点をつくる」と言っています。
仕事(目標)への興味関心を深める
チームメンバー3名の興味関心に沿って仕事をつくったときのことを振り返ってみます。
ぼくのチームは会社の目標を実現するために、方向性として環境対応の仕事、デジタル系の仕事、イベント系の仕事を組織目標にする必要がありました。
3つの仕事の具体的な内容(計画)は、チームリーダーであるぼくとメンバーとで作っていきます。まずは各メンバーにどの方向性の仕事を担当してもらうか決めました。
ぼくはメンバーのAさん、Bさん、Cさんと一緒に仕事をしている中で、どんな仕事(コト)をしているときに、張りきっているか、自主的に動いているか、工夫や努力をしているかを観察しています。そして興味関心の仮説をつくります。
これはマネージャーだからこそできることです。メンバーと話をしたり観察できる機会を誰よりも多く持つことができます。解決志向マネージャーはこの機会を最大限活かします。
で、各メンバーと話し合って下記のようにお願いしました。
Aさんはサーフィンと海外が好きだから環境対応の仕事。
Bさんは上昇志向で学び好きだからデジタル系の仕事。
Cさんは大勢と関わるのが好きだからイベント系の仕事。
これは単なる興味関心と仕事のマッチングではありません。
メンバーの興味関心を話しあいの中で検証しながら、その興味関心はこんな風に満たされていくよ、という話をします。
Aさんの環境対応なら、「まずは日本の環境対応をやって、それをグローバルに広げるので、海外出張もいくことになるよ」と伝えます。
そうすると、テーマに対して興味関心を深めることになり、より魅力的な目標設定につながっていきます。
こうしたやり方でメンバーは目標を自分のものと受けてめてくれて、継続的に強い意欲をもって取り組んで、結果として目標達成しています。魅力的な目標づくりはパワフルなんです。
もし、仕事のテーマに対してAさん、Bさん、Cさんが入れ替わったとしたら結果はどうだったか。今のような結果は出ていない、いや全くうまくいかなかったと思います。
目標設定は相手志向(メンバー志向)がキーワードです。